ヴァトナヨークトル国立公園は、国土の約14%を占める、火山と氷河が織りなす自然景観を誇る国立公園です。園内には10の中央火山があり、そのうち8つは氷河の下に位置し、なかには極めて活発なものも含まれます。火山活動と氷河の下にある地溝帯との相互作用はさまざまな形で現れ、なかでも噴火時に氷河の縁が決壊して起こる急激な洪水「ヨークルフロイプ」は特に劇的な現象です。
この現象は繰り返し発生し、独特の砂原や河川網、急速に変化する渓谷を生み出してきました。火山地帯には、氷河期を生き延びた固有の地下水生生物も生息しています。玄武岩を主体とする岩盤の一部は約1000万年前に噴出したもので、最も新しい溶岩は2015年に噴出したものであり、地球の生きた営みを長期にわたって観察できる貴重な場として高く評価されています。
公園の中心をなすヴァトナヨークトル氷河はヨーロッパ最大級の氷帽であり、その大きさと厚みは、火山と氷が絶えずせめぎ合う独特の地形を生み出す原動力となっています。氷の下に眠る火山活動と、絶えず形を変える氷河地形の両方を一度に観察できる場所として、地球科学の観点からも国際的に高く評価されています。