ティパサは、アルジェリア北部、地中海に面した町にある考古遺跡群です。もともとフェニキア人の交易拠点として築かれ、後にローマに征服されてマウレタニア王国征服のための戦略拠点となりました。遺跡にはフェニキア、ローマ、初期キリスト教、ビザンツ各時代の遺構に加え、クボル・エル・ルミアと呼ばれる先住民の王墓が含まれます。
紀元前6世紀から紀元後6世紀にかけての、先住民文化と度重なる植民の相互作用を伝える北アフリカ有数の考古学的複合遺跡とされます。カルタゴ時代には多文化混交の埋葬習慣を示す墓地群が形成され、ローマ時代には格式高い建築群と質の高いモザイク舗床を伴うキリスト教建築が増加しました。
430年代のヴァンダル人侵入を経て531年にビザンツ帝国が奪還した後、都市は徐々に衰退しました。登録資産はアルジェの西方に位置する三つの考古遺跡から成る連続資産として構成されており、それぞれが都市の異なる時代の層を伝えています。
円形劇場や公共浴場などの公共建築のほか、住宅区画の遺構も確認されており、地中海沿岸都市としての機能を長期にわたって保持していたことが読み取れます。