アグリジェントの考古地区は、シチリア島南岸にある、紀元前6世紀にギリシャの植民都市として建設された遺跡です。以後、地中海世界を代表する有力都市の一つへと発展しました。「神殿の谷」と呼ばれる遺跡群には壮大なドーリア式神殿の遺構が残り、その多くが現代の農地の地下に良好な状態で保存されています。
発掘された区域からは、後のヘレニズム期、ローマ期、初期キリスト教期に関する知見も得られています。アテネの岩からアクロポリス、聖なる神殿の丘、市外の墓地に至る範囲にわたって、ギリシャ植民都市に典型的な当時のままの立地が保たれており、後世の建物に覆われることのなかった初期の建築群がまとまって残っている点で、他の古典期遺跡と一線を画す存在とされています。
ドーリア式神殿が居並ぶ景観はギリシャ美術・文化における傑出した記念物の一つとされています。コンコルディア神殿やヘラ神殿など複数の神殿が尾根沿いに立ち並び、保存状態の良さから「神殿の谷」の名で親しまれています。
市域には城壁の一部や地下墓地なども残り、ギリシャ植民都市としての建設からカルタゴとの抗争、ローマ支配、初期キリスト教の到来に至るまでの重層的な歴史を伝えています。
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