フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観は、オーストリアとハンガリーの国境にまたがる湖とその周辺地域からなる世界遺産です。中央ヨーロッパ最大級のステップ湖であるこの湖は、極めて浅い水深と広大な葦原に囲まれた独特の景観を持ち、数千年にわたり周辺住民の生活と密接に結びついてきました。
湖畔にはワイン産地としても知られる集落が点在し、伝統的な農業と牧畜、漁労が組み合わされた土地利用が現在も継承されています。豊かな葦原は多様な水鳥の生息地としても重要で、渡り鳥の中継地としても国際的に評価されています。
二つの国にまたがる遺産として、国境を越えた景観保全の取り組みの象徴ともされ、地域住民の生活文化と自然環境が長期にわたり調和してきた事例として高く評価されています。湖の水位は降水量によって大きく変動し、時に湖底が露出するほど水量が減少することもある特異な水文条件でも知られています。周辺の集落には伝統的な農家建築も残され、地域固有の生活文化を今に伝えています。
二国間で共同の管理計画に基づき保全が進められている点も、越境的な文化的景観の先進的な事例として評価されています。
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