Wycondi, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ケニア西部のビクトリア湖近郊に位置するティムリカ・オヒンガの考古遺跡は、16世紀頃に築かれたとされる石造りの防御的集落遺跡です。「オヒンガ」とはこの地域の言葉で石造りの囲い地を意味し、乾式石積みと呼ばれる接合材を用いない技法によって、高さ最大4メートルに及ぶ環状の石壁が築かれています。
壁の内部にはかつて住居や家畜の囲いが配置され、共同体が外敵や野生動物から身を守りながら生活する構造となっていました。東アフリカに現存する乾式石積み集落の中でも最大規模かつ保存状態が良好な事例とされ、牧畜を営む社会が発展させた独自の建築技術と社会組織を伝える資料として重要視されています。
集落の構造は複数の世代にわたって増改築が重ねられた形跡があり、地域社会の変遷を読み取ることができる点も学術的に評価されています。現地では今も一部の氏族によって儀礼の場として利用が続けられており、遺跡が単なる過去の遺構ではなく、生きた伝承と結びついた場所であることを示しています。
石壁の構築には接着剤を使わず石材を巧みに組み合わせる技術が用いられ、地震にも耐える構造的な工夫が随所に見られます。
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