バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群は、ヒンドゥークシュ山脈に囲まれたバーミヤン渓谷に位置する遺跡群です。1世紀から13世紀にかけて古代バクトリアの地で展開した芸術的・宗教的発展を示しており、さまざまな文化的影響がガンダーラ仏教美術へと統合されていった様子を伝えています。渓谷一帯には多数の仏教僧院群や聖域のほか、イスラム時代の要塞建築も残されています。
渓谷の中央部には6世紀から10世紀にさかのぼる都市シャフレ・ゴルゴラの遺構があり、中国とインドを結ぶシルクロードの支線上にあったバーミヤンの原初的な集落の跡を示しています。また本遺跡は、2001年3月にタリバンによって行われた2体の大仏の破壊という悲劇の証人ともなっており、文化財保護の重要性を世界に問いかける場所としても知られています。
渓谷は東西文化が交差する交易路の要衝として栄え、多様な文明の影響を吸収しながら独自の芸術様式を育んだ歴史を今に伝えています。破壊を経てもなお、岩肌に開けられた無数の石窟や壁画の痕跡が残されており、失われた文化の記憶を今日に伝え続けています。断崖にそびえていた2体の大仏があった痕跡は、現在も渓谷を見上げる人々に強い印象を与え続けています。