メサ・ヴェルデ国立公園は、標高2600mを超えるメサ・ヴェルデ台地に位置する国立公園です。6世紀から12世紀にかけて築かれた、プエブロ族の祖先にあたる先住民の住居が数多く集中していることで知られています。これまでに約4400か所の遺跡が記録されており、台地の頂上に築かれた集落のほか、石造りで100室を超える部屋を持つ、印象的な断崖住居も含まれています。
断崖のくぼみを利用して築かれた集合住宅群は、限られた地形と資源のなかで高度な建築技術を発展させた古代プエブロ社会の姿を今に伝えています。なかでもクリフ・パレスは北米最大級の断崖住居として知られ、当時の人々の暮らしぶりをうかがい知ることができる貴重な遺構です。
人々はこの地で農耕を営みながら暮らしていましたが、13世紀末までに一帯を離れたとされ、その理由については気候変動などさまざまな説が唱えられています。台地の緑豊かな自然と断崖に刻まれた住居跡が織りなす景観は、先住民の建築の知恵と暮らしの工夫を今に伝える貴重な文化遺産です。
断崖の窪みに沿って建てられた住居の配置は、周囲の景観と一体となった独自の建築美を今日に伝えています。