アルジェの旧市街カスバは、アルジェリアの首都アルジェにある歴史地区です。地中海沿岸屈指の景勝地に位置し、紀元前4世紀にカルタゴ人の交易拠点が築かれた島々を見下ろします。少なくとも紀元前6世紀のフェニキア商人の来訪以来、人が住み続けてきた土地で、現在のカスバは16世紀末のオスマン帝国時代に築かれた城壁に囲まれた旧市街エル・ジャザイルにあたります。
城塞跡、古いモスク、オスマン期の宮殿が残り、共同体としてのつながりを反映した伝統的な都市構造が特徴です。約5万人が暮らすこの生活空間には、伝統的な住宅、宮殿、ハンマム(浴場)、モスク、市場(スーク)が今も残されています。急な斜面地に沿って階段状に広がる街路網と、密集した住居群が織りなす都市構造は、地中海沿岸のイスラム都市建築を代表する例とされています。
複数の文化的層が重なり合いながら地形の制約に適応してきた過程は、西地中海地域やサハラ以南アフリカの建築・都市計画にも影響を及ぼしてきました。フランス植民地時代以降の都市開発の中でも、歴史的な街区がまとまった形で残されている点が特徴です。狭い路地と中庭を持つ住居形式は、気候条件に適応した伝統的な生活様式を伝えています。
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