アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群は、イタリアを含むアルプス山麓の湖沼や湿地帯に点在する先史時代の集落遺跡群からなる世界遺産です。紀元前5千年紀から紀元前5百年頃にかけて、湖岸や湿地の上に木製の杭を打ち込んで床を支える高床式の住居が各地に建設されました。
水中や湿地の酸素の少ない環境で保存されたことにより、通常であれば失われてしまう木材や織物、植物性の遺物が良好な状態で残されており、当時の農耕、牧畜、金属加工技術などを具体的に知ることができます。住居を支えた杭の年輪を分析することで、建設された年代がほぼ特定できる例もあり、精度の高い年代測定が可能な点も学術的な特色とされています。
集落は湖の水位変動に応じて場所を移すこともあり、遺構の重なりから環境変化への対応がうかがえます。登録範囲はイタリアのほかスイス、ドイツ、オーストリア、フランスなど6カ国にまたがる合計100カ所以上の遺跡から構成され、新石器時代から青銅器時代にかけてのヨーロッパ社会の変遷を広域的に比較検討できる資料群として評価されています。
発掘調査では丸木舟や陶器、装身具なども出土しており、当時の交易や技術水準を具体的に示す手がかりとして活用されています。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。