バリの文化的景観(バリ・ヒンドゥー哲学トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」)は、インドネシアのバリ島にある棚田と水利施設からなる世界遺産です。スバックと呼ばれる伝統的な水利組合が管理する灌漑システムを中心に、水田景観、寺院、集落が一体となった文化的景観として登録されています。
この水利システムは、神と人間、人間同士、人間と自然という三つの調和を説くバリ・ヒンドゥーの哲学トリ・ヒタ・カラナに基づいて運営され、水の分配は単なる技術的な管理にとどまらず宗教儀礼と密接に結びついています。
水の女神を祀る水の寺院を頂点に、複数のスバックが協調しながら限られた水資源を公平に分配する仕組みが、少なくとも9世紀頃から現在まで継続的に受け継がれてきました。ジャティルウィなどの棚田景観は特に美しい事例として知られています。信仰と農業技術が一体化した独自の水管理システムとして国際的に高く評価されています。
各スバックは定期的な会合を通じて水の配分量や耕作時期を調整しており、共同体による自治的な水利運営の仕組みとしても注目されています。近年は観光開発や都市化による水田の減少が課題となっています。
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