ギリシャ・ペロポネソス半島に位置するミケーネとティリンスの考古遺跡は、紀元前2千年紀後半に栄えたミケーネ文明を代表する城塞都市の遺構です。ミケーネにはキュクロプス式と呼ばれる巨石を積み上げた城壁や、王の墓とされる竪穴墓群、蜂の巣状の構造を持つアトレウスの宝庫などが残されています。
城門には二頭のライオンが浮彫で表された獅子門があり、当時の王権の象徴として知られています。ティリンスもまた巨大な石を用いた城壁で囲まれた城塞都市で、精巧な地下通路や回廊が残されています。
両遺跡はホメロスの叙事詩に描かれたトロイア戦争の伝説的な舞台とも関連づけられ、ギリシャ神話と初期ヨーロッパ文明の実像を結びつける重要な遺跡として、1999年に世界遺産に登録されました。19世紀にドイツの考古学者ハインリヒ・シュリーマンが竪穴墓群を発掘し、黄金のマスクなど豪華な副葬品を発見したことで、ミケーネ文明の存在が広く知られるようになりました。
出土品の多くはアテネ国立考古学博物館で公開されています。ミケーネ文明は紀元前1600年頃から紀元前1100年頃にかけて栄え、宮殿を中心とする中央集権的な社会組織や線文字Bと呼ばれる文字の使用でも知られています。
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