クレタ島に点在するミノア文明の宮殿群は、紀元前2000年頃から紀元前1450年頃にかけて栄えた青銅器時代のミノア文明を代表する遺跡群です。代表的な構成資産であるクノッソス宮殿は、多層構造と複雑に入り組んだ部屋の配置から、ギリシャ神話に登場する迷宮(ラビュリントス)の伝説の起源になったとも考えられています。
宮殿には水道設備や排水システムが整備され、当時としては高度な都市基盤技術が用いられていたことが明らかになっています。壁面には躍動感あふれるイルカや牛跳びの場面を描いたフレスコ壁画が残され、ミノア美術特有の自由で生命力に満ちた表現様式を今に伝えています。
宮殿は文字による記録(線文字A・B)を用いた行政組織を備えた中央集権的な社会の中心であったと考えられ、ヨーロッパ最古級の文明の実像を伝える遺跡として重要視されています。20世紀初頭にイギリスの考古学者アーサー・エヴァンズによって発掘されたクノッソス宮殿は、大規模な復元工事が行われたことでも知られ、復元の妥当性をめぐって今も議論が続いています。
ファイストス宮殿など他の宮殿址も含め、島内各地の宮殿がゆるやかな連合関係にあったと考えられています。
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