カホキア・マウンド州立史跡は、大河沿いの都市近郊北東部に位置する、メキシコ以北における最大のプレコロンブス期の集落跡です。主にミシシッピ文化期(800年から1400年)に使用され、最盛期には約1600haの範囲に約120基の塚が築かれていました。多くの衛星的な塚の中心地や、周辺に点在する集落・村を伴う、複合的な首長制社会の顕著な例とされています。
この農耕社会は、1050年から1150年ごろの最盛期には1万から2万人の人口を擁していたと考えられており、これは当時のヨーロッパの都市に匹敵する規模でした。遺跡の中心的な特徴として、大陸における先史時代最大の土構造物であり、面積5ha以上、高さ30mに及ぶモンクス・マウンドが挙げられます。
台地状の塚や尾根状の塚、円錐形の塚など51基が確認されているほか、集落を取り囲んでいた防御用の柵の一部も復元されており、当時の都市計画のあり方を今に伝えています。広大な平原にそびえる巨大な塚の姿は、先コロンブス期の北アメリカにおける社会組織の複雑さと都市的な繁栄を今日に伝える象徴的な存在です。
頂上からは周辺の平原を見渡すことができ、往時この地が果たしていた政治・宗教上の役割を実感することができます。