アンティグアの海軍造船所と関連考古遺跡群は、アンティグア・バーブーダ南岸にあるジョージ王朝様式の海軍施設群です。周囲を壁に囲まれた敷地内に建物や構造物がまとまって配置されています。
高台に囲まれた狭く深い湾という地形はハリケーンからの保護と船舶修理に適しており、イギリス海軍は18世紀後半、東カリブ海の覇権をめぐるヨーロッパ列強間の競争の中で砂糖プランテーションの利権を守るためにこの施設を建設しました。造船所の建設は奴隷とされたアフリカ人の労働に本質的に依存していました。
クラレンス・ハウスや士官宿舎などの建物には、嵐用の雨戸やベランダなど熱帯気候に適応させた工夫が見られ、イギリスの海軍建築が現地の環境に合わせて改変された様子を伝えています。これらの建造物と考古学的な遺構は、大英帝国の発展や貿易拡大、産業化を支えた奴隷とされたアフリカ人の労働を伝える証言となっています。
造船所には乾ドックや倉庫、鍛冶場などの関連施設も残り、当時の艦船修理の作業工程を具体的にたどることができます。周辺にはプランテーション経営に関わった要塞跡や見張り台などの考古遺跡も点在し、砂糖産業と海軍施設が一体となって発展した植民地経済の構造を伝えています。
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