クエバ・デ・ラス・マノス(手の洞窟)は、アルゼンチン南部パタゴニア、ピントゥラス川流域の峡谷地帯にある岩絵遺跡です。約1万3000年前から数千年前にかけて制作された岩絵が残され、人の手のひらをかたどったステンシル画のほか、グアナコの群れや狩猟の場面が描かれています。これらは南米最古期の狩猟採集民の文化を伝える貴重な資料とされています。
彩色岩陰群には紀元前1万年頃から西暦700年頃までの作品が含まれ、三つの主要な様式時代に区分され、後の時代の絵が以前の絵の上に重ねて描かれた例も見られます。顔料には酸化鉄、カオリン、酸化マンガン、ナトロジャロサイトなど天然鉱物が用いられ、高度な技法と数千年にわたる文化的連続性を示しています。
手のステンシル画は主に左手を象ったものが多く、口に含んだ顔料を管などを用いて吹き付ける技法で制作されたと考えられています。周辺の自然環境には現在もグアナコが生息しており、岩絵に描かれた動物相と実際の生態環境が対応している点も、この遺跡の特徴です。登録基準は(iii)で、南米最古の人類社会の文化を伝える傑出した先史岩絵群と評価されています。
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