ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチン南部、サンタクルス州南西部のパタゴニア地方に位置する総面積約60万ヘクタールの国立公園・国立保護区です。切り立った山々と、全長160キロメートルに及ぶアルヘンティノ湖をはじめとする多数の氷河湖が広がっています。
この地域の名称は、南パタゴニア氷原を含む広範な氷河によるもので、この氷原は第四紀の氷河作用を伝える南米最大級の遺存氷河とされています。よく知られるペリト・モレノ氷河では、高さ最大60メートルに達する氷壁がゆっくりと絶えず前進し、青みを帯びた氷塊をアルヘンティノ湖に定期的に崩落させる様子が見られます。
この氷河地形は更新世の氷河作用と現在の気候変動によって形成された地質学的・地形学的過程を示すとともに、絶滅危惧種のウエムル(アンデスジカ)をはじめとする多様なアンデス・パタゴニア生態系を育んでいます。公園内には南パタゴニア氷原から流れ出す47の大型氷河があり、なかでもペリト・モレノ氷河は現在も前進を続ける数少ない氷河として観測が続けられています。
険しい山岳地形にはコンドルなどの鳥類や、アンデス特有の動植物相も確認されており、氷河地形と生態系の双方に高い保全価値が認められています。
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