ティヴォリのエステ家別荘は、宮殿と庭園を含む複合施設で、ルネサンス文化の最も洗練された成果を包括的に示す事例の一つとされています。
1550年、枢機卿イッポリート2世デステの依頼によりピッロ・リゴーリオが設計を開始し、噴水や装飾用の水盤など革新的な建築的仕掛けを備える16世紀庭園デザインの代表例として知られ、初期の「驚異の庭園」としてヨーロッパの庭園文化の発展に大きな影響を与えました。
宮殿から続く急峻な二つの斜面に広がる約4.5ヘクタールの敷地には、噴水を軸とする5本の横断軸が配置され、高度な水利技術と創造的な水の演出が特徴です。不規則な地形を視覚的な工夫によって調和させる設計手法が用いられています。
確立された保存原則に基づく修復が重ねられ、真正性と完全性が高い水準で保たれており、今日に至るまでヨーロッパの庭園設計における模範であり続けています。庭園には百の噴水と呼ばれる並列した水路や、オルガンの音を模して水音を響かせる仕掛けの噴水などが設けられ、当時の水利技術の粋を集めた装置が随所に見られます。
古代ローマの別荘跡に築かれたこの庭園は、周辺の他のティヴォリの遺跡群とあわせて訪れる人々を魅了し続けています。
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