ヴィチェンツァの市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の別荘群は、イタリア北部ヴェネト州にある都市とその周辺農村部からなる世界遺産です。16世紀の建築家アンドレア・パッラーディオが、この地を拠点に古代ローマ建築の理念を再解釈した建築様式を確立し、生涯にわたり多数の宮殿や別荘を手がけました。
バシリカ・パッラディアーナやオリンピコ劇場をはじめとする市内の建造物に加え、周辺の農村地帯にはロトンダ荘など複数の別荘建築が点在しています。オリンピコ劇場の舞台には奥行きの錯覚を生み出す固定式の遠近法装置が設けられ、現存する最古期の屋内劇場建築の一つに数えられています。
ロトンダ荘は正方形の平面に四方それぞれ同一の柱廊玄関を配した独特の構成を持ち、幾何学的な均整美を追求したパッラーディオの設計思想を端的に示す作品として知られています。彼の設計理論は死後に刊行された建築書を通じて広く伝えられ、後世の建築家が古典様式を学ぶ際の重要な典拠となりました。
古代ローマ神殿の構成原理を体系化し住宅建築に応用したこの様式は、その後ヨーロッパから北米に至るまで広く伝播し、西洋建築史全体に大きな影響を及ぼしました。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。