アルベロベッロのトゥルッリは、イタリア南部プーリア州にある独特の伝統的建造物群からなる世界遺産です。トゥルッリと呼ばれる円錐形の石造りの家屋は、切石を積み上げてモルタルを使わずに造られた乾式構造で、屋根には魔除けや宗教的な記号が白く描かれることもあります。
この建築様式は先史時代の建築技術に起源を持つとされ、16世紀頃、領主が税を逃れるために取り壊しが容易な乾式構法を住民に奨励したことから、この地域で広く普及したと伝えられています。屋根の頂部には十字架や星などの装飾を施した石の飾りが置かれ、内部には家族の道具を収納する壁龕が設けられるなど、生活の知恵が随所に反映されています。
円錐形の屋根は内部に柱を必要としない持ち送り式の積み上げ工法で組まれており、必要に応じて増改築や取り壊しがしやすい構造となっている点も特色です。アルベロベッロの旧市街にはこうしたトゥルッリが1500棟以上集中して残り、白壁に灰色の石屋根が連なる街並みは他に類を見ない集落景観を形成しています。
集落は主に居住区のリオーネ・モンティと観光の中心となるアイア・ピッコラの二地区に分かれ、現在も一部は住居や商店として実際に使用されています。
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