Fakhri Mahmood, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
アッシュル(カラット・シェルカット)は、イラク北部チグリス川西岸にあるアッシリア帝国最初の首都の遺跡で、世界遺産に登録されています。紀元前3千年紀に都市として成立し、紀元前14世紀から紀元前9世紀にかけてアッシリア帝国の宗教的中心地として栄えました。
後に都は他都市へ移されましたが、アッシュルは帝国が滅びる紀元前7世紀末まで戴冠式などの儀礼が行われる神聖な都市であり続けました。遺跡には都市の守護神アッシュルを祀る神殿や、複数のジッグラト(聖塔)、宮殿の遺構が残されており、メソポタミア文明における都市国家から帝国への発展過程を示す重要な証拠とされています。
発掘調査では楔形文字による多数の行政文書や年代記も出土し、アッシリア王権の成立過程を知る文献資料としても重視されています。20世紀初頭のドイツ調査団による発掘以来、繰り返し調査が行われ、都市の変遷を示す複数の建築層が確認されています。
丘陵地形を利用した城壁と複数の門を備えた防御構造も明らかになっており、都市機能と宗教機能を兼ね備えた古代都市の姿を伝えています。2003年には紛争の影響で危機遺産に登録され、国際的な支援が続けられています。
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