ヴァティカン市国は、イタリアの首都ローマ市内に位置するカトリック教会の中心地で、都市国家全体が世界遺産に登録されている稀少な事例です。ローマ教皇の居所であり、キリスト教世界の中心的な聖地であるこの地には、サン・ピエトロ大聖堂をはじめ、バチカン宮殿、システィーナ礼拝堂などの壮大な宗教建築が集中しています。
サン・ピエトロ大聖堂は16世紀から17世紀にかけて建設され、ミケランジェロやベルニーニなど当時を代表する芸術家が設計や装飾に携わった、ルネサンスからバロックに至る建築・美術の集大成とされています。システィーナ礼拝堂の天井画と壁画はミケランジェロの代表作として広く知られ、西洋美術史上最も重要な作品群の一つに数えられています。
バチカン宮殿内の美術館には古代から近代に至る膨大な美術コレクションが収蔵されており、世界最小の独立国家でありながら人類の芸術・宗教遺産の集積地として国際的に極めて高い評価を受けています。広場を囲む列柱回廊はベルニーニの設計によるもので、教会が信徒を両腕で包み込む姿を表現しているとされています。地下には歴代教皇の墓所や古代ローマ期の遺構も残されています。
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