ホヤ・デ・セレンの考古遺跡は、エルサルバドル中部の農村地帯にある古代マヤ文明の集落遺跡で、世界遺産に登録されています。6世紀に近隣のロマ・カルデラ火山が噴火し、大量の火山灰が集落を急速に覆ったことで、家屋や農地、日用品がほぼそのままの状態で保存されました。この様子は古代ローマのポンペイになぞらえて「中米のポンペイ」とも呼ばれています。
発掘調査では、泥と枝で建てられた住居や台所、貯蔵庫のほか、栽培されていたトウモロコシ畑の畝の跡まで確認され、当時の一般庶民の日常生活を極めて具体的に復元できる稀少な資料となっています。支配者層の記念碑的建造物ではなく、名もない農民の暮らしぶりを伝える点が学術的に高く評価されており、古代メソアメリカ社会の生活史研究における重要な拠点とされています。
噴火の直前に住民が避難したとみられ、人的被害はほとんどなかったと考えられています。発掘された住居からは、寝台や織機、陶器、食料貯蔵庫がそのままの配置で見つかっており、家庭ごとの生活空間の違いも具体的に確認できます。集落の中心には住民が集会を行ったとされる公共建造物の跡も残されています。1978年の発見以降、中米の生活史研究の基準点として参照されています。
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