キューバの首都ハバナの旧市街と要塞群は、16世紀にスペインが建設したカリブ海地域における最も重要な港湾都市の中心部です。カリブ海交易の要衝として栄え、新大陸からスペイン本国へ財宝を運ぶ船団の集結地としても重要な役割を果たし、大西洋航路の要としてスペイン帝国の経済を支えました。
旧市街には、バロック様式や新古典主義様式の建物が立ち並ぶ大聖堂広場や旧市庁舎広場などの広場群が残り、狭い街路と中庭を持つ住宅建築が当時の都市構造を今に伝えています。港の防衛のために築かれたモロ要塞やラ・カバーニャ要塞など、複数の要塞群も含まれており、スペイン植民地時代の軍事建築技術を示す重要な遺構となっています。
旧市街には葉巻産業で栄えた時代の邸宅や、アール・ヌーヴォー、アール・デコなど様々な時代の建築様式も混在し、街全体が歴史的建築の博物館のような様相を呈しています。大聖堂広場に面する建物群はバロック様式で統一され、かつての貴族の邸宅は現在も博物館や文化施設、宿泊施設として広く活用されています。
長年の保存修復事業により歴史的景観が維持されており、カリブ海のスペイン植民都市の姿を今日に伝える代表的な事例として国際的にも高く評価されています。
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