タムガリの考古的景観にある岩絵群は、カザフスタン南東部の渓谷地帯にある先史時代の岩絵遺跡群で、世界遺産に登録されています。紀元前2000年紀から20世紀初頭に至るまでの長期間にわたり制作された数千点の岩絵が渓谷の岩肌に刻まれており、青銅器時代から近代に至る中央アジア草原地帯の人々の信仰や生活の変遷を連続的にたどることができる貴重な資料とされています。
岩絵には太陽神を思わせる頭部に放射状の装飾を持つ人物像や、戦車、家畜の群れなどが描かれ、当時の遊牧民の社会や祭祀の様子を伝えています。周辺には祭祀場や墓地の遺構も確認されており、岩絵群が単独の遺跡ではなく、広範な聖域としての性格を持っていたことがうかがえます。中央アジア草原地帯における青銅器時代の宗教観と社会構造を知る上で国際的に重要視されている遺産です。
渓谷内には岩絵の密集する複数の地点が確認されており、時代ごとに描画の対象や技法に違いが見られることから、長期間にわたり聖域として繰り返し利用されてきたことがうかがえます。乾燥した気候が岩絵の保存状態を良好に保つ要因ともなっており、現在も現地調査による新たな発見が続いています。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。