サンボー・プレイ・クックの寺院地区:古代イシャナプラの考古遺跡は、カンボジア中部にある7世紀の古都遺跡で、世界遺産に登録されています。アンコール王朝以前に東南アジアで栄えたチェンラ王国の都イシャナプラの跡とされるこの遺跡には、レンガ造りの塔堂が数百基にわたり密林の中に点在しており、クメール建築の初期様式を示す最古級の事例として建築史的に高く評価されています。
八角形の平面を持つ塔など、後のアンコール建築には見られない独特の建築形式も確認され、クメール美術様式が確立される以前の過渡期の姿を伝えています。精緻な彫刻装飾が施された門柱や、ヒンドゥー教の神々を表現した浮彫も残されており、宗教美術の発展過程を知る上で重要な資料とされています。アンコール文明のルーツをたどる上で欠かせない遺跡として国際的に評価されています。
都市を囲んでいたとされる環濠の跡も確認されており、当時の都市計画の全体像を復元する手がかりとなっています。近年は地雷除去が完了し一般公開が進められています。塔堂の建材には特徴的な赤みを帯びたレンガが用いられ、密林の緑と鮮やかな対比を成す独特の景観が写真愛好家からも人気を集めています。
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