キプロス島南部、マロニ川沿いの丘陵に位置するヒロキティアは、東地中海地域における新石器時代初期の定住集落を代表する考古遺跡です。紀元前7千年紀から紀元前4千年紀頃にかけて営まれたとされ、土や石を積み上げて造られた円形の住居が密集して立ち並んでいたことが発掘調査によって明らかになっています。
住居は直径2から9メートルほどの円形の建物で、石造りの基壇の上に日干しレンガや土で壁を築き、内部には炉や作業台、寝台状の設備が設けられていました。集落は防御用の外壁に囲まれ、計画的に配置されていたと考えられています。
農耕や牧畜、狩猟を組み合わせた生活が営まれていたことを示す道具や動物の骨、石偶なども出土しており、農耕社会への移行期の社会構造を知るうえで重要な遺跡です。住居の床下には死者を埋葬する習慣があったことも確認されており、副葬品とともに発見された人骨から当時の食生活や健康状態に関する情報も得られています。
集落は数百年にわたり同じ場所で継続的に営まれたと考えられており、建物の建て替えの跡が地層として重なって残されています。キプロス島における先史時代研究の基準となる遺跡として位置づけられています。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。