ギリシャ中部のテッサリア平原に切り立つ砂岩の奇岩群の頂上には、14世紀以降に築かれた正教会の修道院群が点在しています。「メテオラ」とは「宙に浮く」を意味する言葉で、高さ数百メートルに達する垂直な岩塔の頂に建てられた修道院は、当初は縄ばしごや滑車付きの網籠を用いてしか到達できず、外部からの侵入を防ぐとともに、俗世から離れた厳格な修行生活を可能にしていました。
最盛期には24の修道院が存在したとされますが、現存し活動を続けているのは6か所です。内部には14世紀から16世紀にかけて描かれたフレスコ壁画が数多く残され、ビザンティン後期からポスト・ビザンティン期にかけての美術様式の変遷を示しています。険しい自然地形と一体化した建築配置は、自然環境と宗教的な精神性が融合した独特の景観を形づくっています。
修道院内部には15世紀から16世紀にかけて活動した壁画家テオファネスによる優れたフレスコ画も残されており、ポスト・ビザンティン絵画の重要な作例として評価されています。現在は岩塔に架けられた橋や階段を通じて訪問が可能となっていますが、荷物の運搬には今も滑車と籠を用いる伝統的な方法が一部で使われています。
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