ギリシャに点在するダフニ修道院、オシオス・ルカス修道院、ヒオス島のネア・モニ修道院の三つは、いずれも11世紀に建設されたビザンティン中期の修道院建築を代表する遺産です。三修道院はギリシャ国内の離れた地域に位置しながらも、いずれもドーム型の身廊を持つ集中式の教会堂と、金地を背景にした精緻なモザイク装飾という共通の特徴を備えています。
ダフニ修道院のモザイクは、ドーム中央に描かれた厳格な表情の「全能者キリスト」で特に知られ、ビザンティン美術における人物表現の到達点とされています。オシオス・ルカス修道院は聖ルカスの墓所を起源とし、金色を基調とした豪華なモザイクで内部が覆われています。ネア・モニはビザンティン皇帝コンスタンティノス9世の庇護のもとで建設され、宮廷様式の高い技術を伝えています。
三者を併せて見ることで、ビザンティン中期美術の地域的な広がりと様式の統一性を理解することができます。いずれの修道院も大きな改変を受けずに当時の建築とモザイクが良好な状態で保存されてきました。内部の床面には大理石を組み合わせた幾何学文様の装飾も施され、壁面のモザイクと呼応する空間全体の美的統一が図られています。
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