クロアチアのアドリア海沿岸に位置する歴史都市トロギールは、小さな島の上に築かれた城塞都市で、古代ギリシャの植民都市を起源とし、中世からルネサンス期にかけてヴェネツィア共和国の影響のもとで発展しました。
狭い街路が迷路のように入り組む旧市街には、ロマネスク様式からルネサンス様式に至る各時代の建築様式が密集して残されており、中央ヨーロッパにおける都市建築の発展過程を一つの町の中で連続的にたどることができる点で高く評価されています。
中心に位置する聖ロヴロ大聖堂は、ロマネスク様式の正面扉口に施された精緻な彫刻で知られ、地域を代表する彫刻家の作品として重要視されています。城壁や要塞、市庁舎などの公共建築も良好な状態で保存されており、中世都市の都市計画の姿を今に伝えています。島と本土を結ぶ狭い水路には要塞が築かれ、海上交易路の防衛拠点としての役割も担っていました。
街路の配置は古代の直交する街区の名残を留めつつ、その後の増改築によって有機的に変化しており、都市計画の連続的な変遷を読み取ることができます。町を代表するチペコ礼拝堂には中世彫刻の傑作とされる作品も残され、地域の美術史研究においても重要な資料とされています。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。