モラヴィア教会入植地は、デンマークのクリスチャンスフェル、ドイツのヘルンフート、英国のグレースヒル、そしてアメリカのベツレヘムという4か国4つの入植地から構成される、国境を越えた連続資産です。モラヴィア教会という世界的なネットワークが持つ、国境を越えた広がりと一貫性を体現する存在とされています。
18世紀から19世紀初頭にかけて、プロテスタントの伝統のなかでモラヴィア教会の理念に基づいて設計された宗教都市計画の代表例であり、各入植地には集会所や教会、寮、そして「神の畑」と呼ばれる共同墓地など、地域の条件に応じながらも統一された設計原理に基づく特徴的な建築が見られます。
1722年に築かれたヘルンフートは「母なる入植地」として最初期のモラヴィア都市設計を伝え、1741年のベツレヘムは北米で最初かつ最も保存状態の良い入植地とされています。いずれの入植地でも信仰共同体が今なお活動を続けており、生きたモラヴィア文化遺産として大切に受け継がれています。
整然とした街区の中心に教会と広場を配し、住居や作業場が周囲を囲む都市計画は、信仰に基づく共同体づくりの理想を具体的な街並みとして体現しています。