サナアの旧市街は、標高2200メートルの山間の盆地に位置し、2500年以上にわたり人が住み続けてきたイエメンの都市です。7世紀から8世紀にかけてイスラム教布教の重要な拠点となりました。市内には103のモスク、14のハンマム(浴場)、11世紀以前に建てられた6000戸を超える住宅が残り、日干しレンガを用いた特徴的な多層の塔状住居で知られています。
旧市街は日干しレンガと焼成レンガによる塔状建築が高密度に集積し、焼成レンガと白い石膏による幾何学模様の装飾が施されている点が特徴で、城壁内に住民を収容する防御上の要請への優れた対応を示しています。旧市街は均質な建築群による都市空間の構成を伝える例であり、近代化による社会変化の影響を受けやすい伝統的居住形態の優れた事例でもあります。
ヒジュラ暦6年に建てられた大モスクを有し、メッカとメディナ以外で最初に建てられたモスクとしてイスラム初期の布教史とも直接結びついています。旧市街は市壁に囲まれた区画の中に密集して建物が配置され、各住宅の最上階には来客をもてなすための広間(マフラジュ)が設けられています。伝統的な公衆浴場やスークも今日まで営業を続けています。
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