ザビードの歴史地区は、イエメンにある円形の城塞都市で、13世紀から15世紀にかけてイエメンの首都として機能し、イスラム大学の存在によりアラブ・イスラム世界で重要な位置を占めました。市内には約86のモスクがあり、うち14はラスール朝期のもので、マドラサ(学院)として機能していました。
狭く閉ざされた街路、伝統的な住宅、ミナレットが一体となった都市空間はイスラム初期の空間構成の特徴を示しています。住宅は南アラビア半島各地で見られるティハーマ様式の中庭住居で、焼成レンガを用い、室内には精巧な彫刻装飾が施されています。
820年、イブン・ジヤードによりズィヤード朝が興されたことで町は重要性を増し、建築上の価値に加えて「世界各地からの学生」がイスラム学と諸学問を学ぶ知的中心地としても機能しました。2000年に危機にさらされている世界遺産のリストに記載され、建造物の約4割が現代の開発の影響を受けやすい状態にあります。
市内には伝統的な市場や公共の井戸も残り、住宅地区と商業地区が入り組みながら機能してきた都市構造を伝えています。ザビードは紅海沿岸の低地ティハーマ地方に位置し、暑く湿潤な気候に適応した通気性の高い建築様式が発達しました。
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