城壁都市シバームは、イエメンにある16世紀の都市で、城壁に囲まれ、垂直方向の建築を原則とする都市計画の最古かつ最良の事例の一つとされています。断崖から立ち上がる塔状の建造物群の印象的な姿から「砂漠のマンハッタン」の異名で知られています。日干しレンガを積み上げた高層の塔状住居群が16世紀に建設され、南アラビア半島の香辛料・乳香交易路の要衝に築かれました。
7階建ての住居は防御と一族間の対立への対応という都市計画上の要請から、城壁で囲まれた長方形の格子状区画に整然と配置されています。1532年から1533年にかけての大洪水で被害を受けた旧集落に代わって建設され、西暦300年頃にシャブワが破壊されて以降、ハドラマウトの首都となりました。
この都市は不安定な天水農業環境に適応してきた伝統的社会の姿を伝える、脆弱ながら傑出したアラブ・イスラム文化の表現とされています。日干しレンガの外壁には白い石灰の装飾が施され、強い日差しと熱を和らげる工夫がなされています。周辺には季節的に増水するワディ・ハドラマウトが流れ、洪水による肥沃な土壌を利用した農業が都市を支えてきました。
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