ナポリの歴史地区は、イタリア南部カンパニア州の都市ナポリの中心部に広がる世界遺産で、古代ギリシャ植民都市ネアポリスに起源を持ちます。紀元前470年頃に建設されて以来、2500年以上にわたり継続的に人が居住し続けており、古代の都市計画の骨格が現在の街路網にそのまま残されている点が特徴です。
ギリシャ、ローマ、ノルマン、アンジュー、アラゴン、スペイン、オーストリア、ブルボンなど歴代の支配者が残した建築様式が重層的に積み重なり、ヌオーヴォ城、サン・マルティーノ修道院、大聖堂など多様な建造物が共存しています。地下には古代ギリシャ・ローマ時代の採石場や通路を利用したナポリ地下都市が広がり、防空壕や貯水施設として時代ごとに再利用されてきました。
街の中心を貫くスパッカ・ナポリと呼ばれる直線状の通りは、古代都市の主要街路であったデクマヌスの位置をほぼそのまま踏襲しており、両側には教会や宮殿、市場が連なっています。狭い路地と密集した街区からなる旧市街の構造は今も日常生活の場として機能しており、住民の生活文化と歴史的建造物が一体となった稀有な都市景観を形成しています。
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