ウルビーノの歴史地区は、イタリア中部マルケ州の丘陵に築かれたルネサンス期の都市からなる世界遺産です。15世紀後半、領主フェデリコ・ダ・モンテフェルトロの治世のもとで文化的な最盛期を迎え、周辺の大都市に匹敵する規模の学芸都市として発展しました。
壮麗なドゥカーレ宮殿は建築家ルチャーノ・ラウラーナらが手がけ、内部にはピエロ・デラ・フランチェスカの絵画をはじめとする美術品が収蔵されています。宮殿にはフェデリコが収集した学術書を収めた図書室が設けられ、当時のヨーロッパでも有数の蔵書規模を誇ったと伝えられています。
宮殿内の一室には、木象嵌で書斎の調度品や楽器を描いたスタジオーロと呼ばれる小部屋が残り、当時の視覚的技巧の粋を伝えています。画家ラファエロの生誕地としても知られ、街には彼の生家も保存され、初期作品とされる壁画の断片が展示されています。
丘の斜面を段状に造成した都市計画は、宮殿を最高所に置きつつ周辺の街区とも自然に連続する構成となっており、ルネサンス期の理想都市の理念を反映した建築群が良好な状態で残されています。街全体の景観規模が小さく保たれたことも、周辺一帯への文化的影響力の大きさを際立たせる要因とされています。
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