ルネサンス都市フェッラーラとポー川のデルタ地帯は、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州にある都市とその周辺の河口域からなる世界遺産です。15世紀、エステ家の統治のもとで都市改造が行われ、建築家ビアジョ・ロセッティが設計した「エルクレアの道」と呼ばれる新市街は、直線的な街路を用いた最初期の近代的都市計画として知られています。
旧市街の中世的な街路網と新市街の幾何学的な都市計画が対比的に共存し、都市デザインの発展過程を示す貴重な事例となっています。街路には遠近法を意識した見通しの良い軸線が設けられ、後世の都市計画者たちに大きな影響を与えたとされています。
エステンセ城やスキファノイア宮殿など、当時の権力を象徴する建造物も残され、壁画には季節の移ろいや占星術的な図像が描かれた部屋も保存されています。フェッラーラはこの時代、詩人アリオストらを庇護する文芸の中心地としても栄え、宮廷文化の発展にも大きく寄与しました。
1999年には対象地域がポー川デルタの河口域とその周辺の邸宅群にまで拡大され、都市計画と湿地帯の自然環境が連続する広域の文化的景観として登録内容が見直されました。
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