ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと諸島群は、イタリア北西部リグーリア州の険しい海岸地形に築かれた集落群からなる世界遺産です。急峻な崖が海に迫る地形の中で、住民は中世以来、石垣を積んだ段々畑を斜面に築き、ブドウやオリーブを栽培する農業を営んできました。
モンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニーリア、マナローラ、リオマッジョーレの5つの集落からなるチンクエ・テッレと、要塞都市ポルトヴェーネレ、パルマリア島などの島々が登録範囲に含まれます。各集落は陸路が発達しにくい断崖に位置するため、長らく海路と徒歩道が主要な交通手段であり続け、集落間を結ぶ小道は現在もハイキングルートとして利用されています。
段々畑を支える石垣の総延長は数千キロメートルに及ぶとされ、長い年月をかけて住民が手作業で積み上げてきたものです。集落の家々は狭い土地に高く積み上げられ、パステルカラーに塗られた外壁が急峻な地形の中で際立つ景観を形成しています。かつて集落間には海路のほかに険しい山道が使われ、住民は物資の運搬や交流のために地形の制約を克服する工夫を重ねてきました。
厳しい自然環境に対する土地改良の技術と集落が一体となった独特の景観が評価されています。
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