ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院は、教会本体とレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた壁画『最後の晩餐』を含む世界遺産です。教会は15世紀にドメニコ会の修道院として建設され、後にブラマンテの設計による後陣部が増築されました。
『最後の晩餐』は1495年から1498年にかけて修道院食堂の壁面に描かれ、キリストが弟子の裏切りを予告する瞬間の緊張感を、一点透視図法を用いた奥行きのある構図と人物ごとの心理表現によって描き出しています。レオナルドはフレスコ画の速乾性を避けるため実験的な技法を用いたことが、後の劣化の一因ともなり、20世紀末には大規模な修復作業が行われました。
現存する数少ないレオナルドの壁画として、ルネサンス絵画の到達点を示す作品と位置づけられています。教会内部にはブラマンテによる幾何学的な後陣空間も残され、建築史上重要な事例とされています。第二次世界大戦中の空爆で食堂の一部が破壊された際にも壁画のある壁面は奇跡的に倒壊を免れ、その後補強と修復を経て現在の姿で公開されています。
見学は温湿度管理のため少人数の時間制限付きで行われています。
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