パレルモのアラブ・ノルマン様式の建造物群と、チェファルとモンレアーレの大聖堂は、イタリア南部シチリア島にある9つの宗教・王宮建造物からなる世界遺産です。12世紀、シチリア王国を建てたノルマン人は、先住のアラブ、ビザンティン、ラテン・カトリックの各文化を統合する独自の統治を行い、その融合的な性格が建築や装飾芸術に色濃く反映されています。
パラティーナ礼拝堂やモンレアーレ大聖堂の内部には、ビザンティン風の金地モザイクとイスラム風の鍾乳石飾り天井(ムカルナス)が同居し、他に類を見ない折衷様式を形成しています。ノルマン王宮やチェファル大聖堂も同様の様式的特徴を持ち、地中海世界における異文化の共存と融合の実例として評価されています。
統治文書はアラビア語、ギリシャ語、ラテン語の三言語で作成されることもあり、行政面でも多文化の共存が制度化されていました。パラティーナ礼拝堂の木製天井にはイスラム美術特有の鍾乳石飾りが用いられ、宗教施設でありながら世俗的な装飾様式を取り入れている点も特色とされています。
モンレアーレ大聖堂の内壁は旧約・新約聖書の物語を伝える大規模なモザイクで覆われ、その総面積はビザンティン世界でも屈指の規模とされています。
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