シェーンブルン宮殿と庭園は、オーストリアの首都ウィーンにあるハプスブルク家の夏の離宮とその庭園からなる世界遺産です。18世紀、女帝マリア・テレジアの命により大規模な改修が行われ、ロココ様式を基調とした豪華な宮殿建築として現在の姿が形成されました。
宮殿内部には皇帝一家の居室や謁見の間など約1400室が設けられ、当時の宮廷生活の様式を伝える調度品や装飾が良好な状態で保存されています。幾何学的に整備されたフランス式庭園には、彫刻や噴水、丘の上に築かれたグロリエッテと呼ばれる記念建造物が配置され、宮殿建築と一体となった壮大な景観を形成しています。
敷地内には現存する世界最古級の動物園も含まれ、皇帝の権威を象徴する宮殿建築群として、バロックからロココに至るヨーロッパ宮廷文化の到達点を示す遺産とされています。宮殿正面のファサードには黄色の外壁が用いられ、「シェーンブルン・イエロー」と呼ばれる独特の色彩は今日でもオーストリアを代表する建築の色として知られています。
第一次世界大戦末期には皇帝カール1世がここで統治権の放棄を宣言し、ハプスブルク帝国終焉の舞台となったことでも歴史的に知られています。
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