カルハットの古代都市は、オマーン東部の沿岸部にある中世の港湾都市遺跡で、世界遺産に登録されています。11世紀から15世紀にかけて、インド洋交易の重要な中継港として繁栄したこの都市は、東アフリカ、インド、中国を結ぶ広域的な海上交易網の一角を担い、香料や陶磁器などの取引で栄えたと伝えられています。
14世紀にこの地を訪れた旅行家イブン・バットゥータの記録にも都市の繁栄ぶりが記されており、当時の国際的な知名度の高さがうかがえます。都市の象徴とされたビービー・マルヤム廟は、精緻な装飾を持つドーム建築として知られ、遺跡の中でも特に保存状態の良い建造物とされています。
16世紀の地震とポルトガルによる攻撃を経て都市は衰退しましたが、遺構は当時の海上交易の実態を伝える貴重な資料として評価されています。港湾施設や墓地の遺構からは、多様な出身地の商人が行き交っていたことを示す遺物も出土しており、当時のインド洋交易圏の広がりを物語っています。
都市は険しい山を背にした狭い沿岸部に築かれており、天然の良港と防御に適した地形を兼ね備えた立地であったことも繁栄の要因の一つとされています。
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