乳香の大地:交易路と関連遺跡群は、オマーン南部のドファール地方に点在する乳香交易にまつわる遺跡群で、世界遺産に登録されています。乳香樹から採取される樹脂は、古代から宗教儀礼や薬用として珍重され、地中海世界やインド、中国にまで及ぶ広域的な交易網を通じて取引されてきました。
登録資産には、乳香の産地である樹林地帯のほか、交易の拠点として栄えた港湾都市ハーサ・アル・グーフの遺跡や、隊商都市シスルの遺跡などが含まれ、産地から消費地に至る交易路の全体像を伝えています。乾燥した気候に適応した乳香樹の生育環境も評価の対象とされ、自然環境と交易史が一体となった稀少な遺産とされています。
乳香交易は古代エジプトや旧約聖書にも記録が残るほど古くから知られており、アラビア半島の経済を長く支えてきました。良質な乳香樹はドファール地方特有の気候条件でのみ育つとされ、この地が古くから交易の起点として特別視されてきた理由ともなっています。隊商都市の遺構からは、当時の交易活動の規模の大きさを示す倉庫や住居跡も確認されています。
乳香は樹皮に傷をつけて滲み出る樹脂を採取する方法で生産され、品質や産地によって取引価格が異なる高級品として扱われていました。
📷 気になる書籍の画像を押すと、Amazonで商品の詳細を確認できます。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。