グアテマラ東部のモタグア川流域に位置するキリグア遺跡公園は、古典期マヤ文明の都市国家のひとつであった遺跡です。8世紀に近隣の大都市コパンから独立を果たしたことで知られ、その後独自の政治的・芸術的発展を遂げました。遺跡最大の特徴は、高さ10メートルを超える砂岩製の石碑(ステラ)群で、マヤ世界で確認されている中でも最大級の規模を誇ります。
石碑には精緻な浮彫で王の姿や象形文字による碑文が刻まれ、当時の王朝の歴史や暦法、宗教儀礼に関する情報を伝える貴重な資料となっています。動物の姿を象った巨大な石造彫刻「ゾウモルフ」も特徴的で、マヤ美術における石彫技術の高度な到達点を示しています。周辺の低地に立地していたことから長期間発掘が及ばず、彫刻の保存状態が良好である点も評価されています。
石碑群には王の即位や軍事的勝利など具体的な出来事が長文の象形文字碑文として刻まれており、マヤ文字の解読研究においても重要な役割を果たしてきました。モタグア川流域という交易上重要な立地を活かし、翡翠や黒曜石の交易を通じて経済的な繁栄を築いていたことも判明しています。独立後の王朝は独自の暦法や称号体系を採用し、政治的自立を建築と碑文の両面で誇示しました。
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