グアテマラ北部のペテン低地の熱帯雨林に位置するティカル国立公園は、古典期マヤ文明最大級の都市遺跡のひとつです。紀元前4世紀頃から居住が始まり、紀元後3世紀から9世紀にかけて政治・経済・宗教の中心地として繁栄しました。
遺跡内には高さ70メートルに迫る「第4神殿」をはじめとする複数の巨大なピラミッド状神殿がそびえ、中央広場を囲むように宮殿群、球技場、石碑群が計画的に配置されています。神殿の頂上に設けられた小部屋は王や神官が儀礼を行う空間であったと考えられ、天体観測にも用いられていたとされています。
マヤ文明の高度な建築技術、暦法、文字体系を伝える一級の資料であると同時に、周辺の熱帯雨林にはジャガーやオマキザルなど多様な野生動物が生息しており、文化遺産と自然環境が一体となった稀有な遺産として評価されています。都市は最盛期に人口数万人規模の大都市であったと推定されており、広域的な都市圏を形成していたことも発掘調査から明らかになっています。
石碑には王朝の系譜を記した長文の碑文も残され、マヤ文字の解読研究の進展に大きく貢献しました。中央広場を取り囲む神殿群の配置は天文観測とも関連づけられています。
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