パサルガダエは、イラン南部ファールス州にあるアケメネス朝ペルシア帝国最初の首都の遺跡で、世界遺産に登録されています。紀元前6世紀、帝国の創始者キュロス2世によって建設され、宮殿群、庭園、キュロス自身の墓廟などが残されています。切妻屋根を持つ石造りのキュロスの墓は、簡素ながら堂々とした構成を持ち、後のペルシア建築や庭園設計に大きな影響を与えたとされています。
宮殿の遺構からは、水路を用いた整形庭園の跡が確認されており、これは後世「四分庭園(チャハールバーグ)」として発展するペルシア式庭園の最古の実例の一つとされています。都市計画には、アッシリア、エラム、小アジアなど周辺文明の建築的要素が取り入れられており、帝国形成期における文化的融合の過程を示す重要な遺跡と位置づけられています。
キュロスの墓は後世まで尊崇の対象とされ、アレクサンドロス大王も遠征時にこの墓を訪れ修復を命じたと伝えられています。都市の建設にあたっては当時各地から集められた技術者や職人が動員されたとされ、多様な出自の工人による共同作業の跡が建築細部の様式差からも読み取れます。宮殿の柱頭には牡牛や獅子を模した装飾も見られ、王権と力を象徴する図像として用いられました。
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