タウリカ半島の古代都市とチョーラは、ウクライナ南部クリミア半島にある古代ギリシャ植民都市の遺跡で、世界遺産に登録されています。紀元前5世紀、ギリシャ人によって黒海沿岸に建設されたケルソネソス(ヘルソネソス)は、地中海世界と黒海北岸を結ぶ交易拠点として長期間にわたり繁栄しました。
都市の周辺に広がるチョーラと呼ばれる農地には、直線的な区画割りによる土地分配の痕跡が良好な状態で残されており、古代ギリシャの農地測量・分配システムを具体的に示す稀少な資料とされています。都市中心部には劇場、神殿、住居跡などの遺構があり、ギリシャ文化圏の都市計画の特徴を色濃く反映しています。
ローマ帝国期からビザンティン帝国期にかけても継続して利用され、後にはキリスト教の重要な拠点としても機能しました。古代地中海世界の植民都市と農地開発の関係を伝える遺跡として国際的に評価されています。発掘調査では住居跡や陶器工房、貨幣鋳造の痕跡も確認されており、当時の経済活動の実態を示す資料が豊富に残されています。
中世には十字軍関連勢力の拠点としても利用された歴史を持ち、黒海沿岸の交易ネットワークにおける結節点としての役割を長期間にわたり果たしました。
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