クエンカのサンタ・アナ・デ・ロス・リオス歴史地区は、エクアドル南部の都市クエンカにある旧市街で、世界遺産に登録されています。16世紀、スペイン人によって古代インカの都市トミバンバの跡地に建設され、南北の格子状街路網を基本とする植民地都市計画の典型例として発展しました。都市は4本の川に囲まれた立地にあり、河川と一体化した都市構造が特徴とされています。
旧市街には新古典主義様式を基調とする大聖堂や教会、伝統的な中庭を持つ住居群が数多く残され、19世紀から20世紀初頭にかけての建築様式の変遷も確認することができます。地元産の建材を用いながらヨーロッパの建築様式を取り入れた独自の折衷様式が随所に見られ、南米アンデス地域における都市発展の一事例として評価されています。
植民地期から続く街並みが良好な状態で保存されている点が国際的に高く評価されています。大聖堂の青いタイル張りドームは街のランドマークとして知られ、街区に点在する市場や工房が今も地域住民の生活の場として機能しています。4本の川沿いには遊歩道が整備され、都市景観と自然環境が調和した空間が今なお受け継がれています。
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