カパック・ニャン(アンデスの道)は、インカ帝国が築いた総延長3万キロメートルに及ぶ通信・交易・防衛のための道路網です。標高6000メートルを超える山岳地帯から沿岸地域までを結び、熱帯雨林、渓谷、砂漠など多様なアンデスの地形を貫いています。
道路網には273の構成資産が6000キロメートル以上にわたって分布し、商業、貯蔵、宗教活動のための関連施設とともに、インカの建築・土木技術の到達点を示しています。この道路網は数世紀をかけて建設され、インカ以前の基盤も取り込みながら、15世紀のインカ帝国(タワンティンスユ)の統合期に最大規模に達しました。
隊商、飛脚、軍隊、そして最大4万人規模の住民の移動を支える循環システムとして機能し、遠隔地の町、生産拠点、祭祀施設を一体的な経済・社会の枠組みに統合しました。現在も周辺のアンデス地域社会が関連する無形の文化的伝統を継承し、保存区間の維持管理を続けています。
登録資産はアルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルーの6か国にまたがる連続資産として構成され、各国の道路遺構、駅逓(タンボ)、倉庫、祭祀施設が個別の構成資産に含まれます。道は地形に応じて石畳や階段状の造成が施されています。
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