バルデス半島は、アルゼンチン中部チュブ州に位置する、海洋哺乳類の保護において世界的に重要な地域です。面積は約36万ヘクタールで、南大西洋に100キロメートル以上突き出しており、総延長400キロメートルの海岸線には湾、高さ100メートルに達する岩壁、遠浅の湾、干潟を伴う沿岸潟、砂浜、砂丘、小島が含まれます。
絶滅危惧種であるミナミセミクジラの重要な繁殖地であり、毎年1500頭を超える個体が訪れることから、世界で最も重要な繁殖地の一つとされています。ミナミゾウアザラシとミナミアメリカオットセイの大規模な個体群も生息し、前者についてはアルゼンチン本土で唯一の繁殖地となっています。
陸域にはパタゴニア砂漠ステップの植生とグアナコ、固有種のパタゴニアマーラなどが生息し、鳥類は181種を数え、約4万つがいのマゼランペンギンが5か所のコロニーで営巣しています。崖の下に広がる砂浜や潮間帯は、繁殖期のアシカやアザラシが上陸して過ごす場としても利用されます。
この海域のシャチは、若い海洋哺乳類を捕らえるために自ら浜辺に乗り上げるという独自の狩猟行動を発達させており、局地的な沿岸環境に適応して受け継がれてきた学習行動として注目されています。
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