タブリーズの歴史的バザール群は、イラン北西部の都市タブリーズにある屋根付き市場群からなる世界遺産です。タブリーズはシルクロードの要衝として古くから交易で栄え、このバザールは中世から近世にかけて東西交易の一大拠点として発展しました。レンガ造のドームやヴォールト天井で覆われた通路が網目状に連なり、商品の種類ごとに区分された多数の区画から構成されています。
隊商宿、モスク、浴場、学院などの関連施設も一体的に組み込まれており、単なる商業施設にとどまらず、宗教・教育・社交の機能を兼ね備えた都市の中心空間として機能してきました。度重なる地震にもかかわらず再建を重ねながら現在まで存続しており、イスラム世界における伝統的な屋根付き市場の構造と機能を伝える代表的な事例として評価されています。
現在も日用品から絨毯、宝飾品まで多様な商品を扱う商人たちが軒を連ね、実際の商業活動の場として市民生活に根づいている点も特色です。かつては各国の商人が拠点を構える国際交易の中継地でもあり、東西の物産と文化が行き交う窓口としての役割を長く担ってきました。19世紀の旅行記にもその活況が記録されています。
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